猫が吠える

我輩は猫である。名前はみずき。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018に参戦した話

RISING SUN RICK FESTIVAL 2018に参戦した

フェスってやつに行きたいなーと思いながら10年近く生きてきて、ようやくデビューした。子連れ・妊娠中で。
記憶が新しいうちに書こう書こうと思ってたのにもう12月。アドベントカレンダーに乗っかって今度こそ書くぞ。
adventar.org
こちらのアドベントカレンダーの7日目です。

一言で言うととても楽しかった!エゾロッカーと言われる人たちが毎年行くのがよくわかった。

概要

参加まで

 私と、夫と、2歳の娘と、私の妹の4人で参戦しようと相談していました。私たち家族は会場から車ですこしのところに住んでいて、妹は東京にいるので飛行機で来てうちに泊まって帰る予定で。
 フェスって、簡単にチケット取れるものだと思ってた。抽選に申し込んだら当たり前のように外れた。ということで大人3人各自ツイッターで譲ってもらうなどして、前々日、前日、当日になんとかチケットを手に入れ、入場できました。

子連れ参戦

 我が家にはこのとき2歳半だった娘がいます。
 夫婦ともフェスというものが初めてだったから子どもを連れて行って良いものかどうかもわからず、「フェス 子連れ」でググって情報収集して、どうやら子どもでも参加していいらしい、楽しめそうだ、ということがわかったので家族で参加することにしたのでした。
 この日のためウキウキ買ったイヤマフと耳栓は娘も気に入ってつけてくれて、ライジング後も道を歩いていてうるさいバイクが通ったときとか「うるさいから耳に付けるやつしたい」って言うようになった。2日目の途中でコールマンブースで買ったアウトドアワゴンが、荷物と子ども運搬にとても良かった。お子さんを乗せて運んでいる家族連れをたくさん見かけていいなあと思って、アマゾンで買えば安いのはわかっていたけど会場内で買ってしまった。

妊婦参戦

 私はこのとき妊娠8か月で、お腹もだいぶ大きくなって安定期も終わる頃だったので、行くかどうかだいぶ迷いました。
 でも夫も一緒だし、家も通っている産婦人科も会場から車で20分とかそれぐらいの距離だったので、もしなにかあっても大丈夫だと思って参加することにしました。お酒は飲めないし前のほうで飛び跳ねられないし、平常時よりだいぶ制限は多いけど、それでも楽しめるだろうと思って。そもそも子連れだからあまり前に行くつもりもなかったし。
 そうしたら、1日目入場してすぐ、サンステージの前を歩いていたら通っている産婦人科でお世話になっている助産師さんに会いました。テントから「○○さん!」って声を掛けられて、誰だろうと思ったら助産師さんで。妊婦がフェスなんか、って怒られるかと思ったけどそんなことはなく、気をつけてね、テントあるからお腹張ってきたら休みに来てね、と言ってもらい、その後の妊婦検診や入院中も、誰のステージを見たとか誰がどうだったとかって話ができて楽しかった。
 結果的に何事もなく、参加して良かった!!という感想しかないけど、妊婦の皆さまは体調を何より優先して参加するかどうか決めてほしい。過酷なフェスだったし。

天気

 過酷というのは、天気の話。降るかな、降らないかな、と直前の1週間ぐらい天気予報と睨めっこしていたけど、見事にライジング期間中だけ雨だった。しかも初日はだいぶ土砂降り。私たちは1日目夜は家に帰ってきたけど、激しい雷雨だったのでテント泊の人たちはほんとうに大変だっただろうと思う。
 入場ゲートからいきなりドロドロのぬかるみ。昼の時点では会場内はそれほどひどくなかったけど、夕方には土砂降りになり、あちこちが田んぼのようになり、寒くて、カッパを着てもずぶ塗れになる状態でした。我々夫婦は関東在住時代に横浜スタジアムで買ったベイスターズ雨合羽を着ていたのだけど、私たち以外にも数組ベイスターズ雨合羽を着ている人たちがいて驚きました。フェスのテンションと、北海道は石狩くんだりでベイスターズ仲間を見つけたよろこびとで話し掛けてみたら、ライジングのために横浜から来た家族連れでした。他のベイスターズ雨合羽集団にも、夫は話し掛けられたそうです。
 あれこれおいしいものが出店していたようだし寒いから温まりたかったけど、雨で食事どころではなかった。夕方に豚汁をたべたけど、半分雨水を飲んでいる気分だった。風景を写真に残しておきたかったけど、スマホなんか取り出せる天気じゃなかった。防水カメラをリュックに入れていたけど、カッパを脱いでリュックを開けられる状況でもなかった。だからあんまり写真が残っていない。車に戻って乾いたTシャツに着替えたときは、ほんとうにホッとした。着替えをジッパー袋に入れておいたの、大正解だった。先人の知恵、ありがとう。

 2日目は晴れる予報で、朝まで参加予定だったからああ良かったと思っていたら結局朝まで降ったり止んだりだった。明け方も、カッパが必要なくらいの雨が降った。地面はずっと湿っていたからレジャーシートが大活躍した。帰ってから洗うのが大変だったけど。
 そして明け方のステージが終わり、これで今年のライジングサンおしまいというところでようやく晴れた。日の出は見えなかった。帰りの車が出発した頃に、2日ぶりの晴れ間が見えた。

持ち物

 あって良かったものは、野鳥の会の長靴、コールマンのアウトドアワゴン、ベイスターズの雨合羽、懐中電灯かな。
 ワゴンとカッパについては上記の通り。
 長靴は、雨予報を知って前日くらいに急遽買った。雨のフェスに良い靴をあれこれ調べてまだ迷いながら買ったけど、結果、良かった。田んぼのような泥んこの地面も平気で歩けたし、中敷きも買ったから歩きやすかったし、だいたいの靴で靴擦れを起こす私の足で二日間履き続け数万歩あるいてもどこも痛くならなかった。
 長靴を買ったお店の店員さんも、帽子やブルゾンを買ったお店の店員さんも、ライジングですか?それならこれがいいですよ、と案内してくれて、行きたかったけどチケット取れなかったとか、明日私も行くんですよとかっていう人たちだった。ライジングはこの北海道の地に根付いた地元のお祭なんだなって感じた。
 懐中電灯は夜中足元を照らしたり荷物をゴソゴソしたりするのに便利だった。私は百均で買ったけど、いいやつだともっと明るくて良いんだろうなと思った。

私が見た各ステージの感想

8月10日 金曜日

15:00~ サンボマスター @RED STAR FIELD

 正直に言うと曲は「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」しか知らないのだけど、ツイッターでフォローしているevil氏の、ロッキンでのサンボマスターについてのツイートを見ていいなあと思って見ることにした。


 とっても良かった!楽しかった!ベストアクトだったかもしれない。
 演奏もとても良かったんだよ。唯一知っている「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」も聴けて、満足だった。妊娠中でなければ前に出てモッシュに参加したかった!エネルギーがすごかったし、2歳の娘も楽しそうに腕を上げて振っていた。だけど、それ以上にMCがすごく良かった。私の知ってるライブって、あんまりMCがなくて、あってもあいさつともう一言くらいで、ひたすら曲をやるのが多くて(主にSyrup16gですね)、だからたくさんしゃべるバンドって馴染みがなかったのだけど、サンボマスターのライブには、半分はボーカル山口氏のMCを聞きに行くものなのかもしれない。
 「死にたいとか思うかもしれないけど死ぬなよ、死ぬとか言うなよ、お前らの居場所はロックが鳴ってるこの場所だ、死にたくなったらステージを思い出せ、生きろ、笑え」、っていう話だった。シロップ好きの例に漏れず私も死にたいタイプの人間なので、だけど最近は子を産んだりとかして死んじゃいけないなって思ったりしていて、そんなところにこのMC聞いて涙を我慢できなかった。隣に夫と娘がいたから我慢したけどしきれなかった。

18:00~ ASIAN KUNG-FU GENERATION @RED STAR FIELD

 なんか、あんまり良くなかった。
 昔(君繋ファイブエムフィードバックファイルごろ)はとっても好きなバンドだったのに。初めてナマで聴けたのに。意外と知ってる曲たくさんやってくれたのに。その前に聴いたのがサンボマスターだったせいかそうじゃないのか、あんまりエネルギーを感じなくって、おとなしく演奏して見せてくれてるって感じがして、これだったらCDで聴けばじゅうぶんだなあと感じた。

2歳児も一緒なので1日目はこれで終わり。家が会場から車ですぐなので、帰って冷えた身体を風呂で温め、家で夕食をとって、泥のように眠りました。

8月11日 土曜日

12:30~ BiSH @EARTH TENT

 名前しか聞いたことなくて、でもなんかおもしろそうって思ってたので聴いた。この日は東京から妹も参戦して来て一緒に参加した。娘を抱えて後ろのほうで見ていたけど楽しかった。
 この日以降娘は「♪待って 待って 未来を待って」って口ずさむようになった。2歳児の記憶力恐るべし。

14:10~ UNISON SQUARE GARDEN @SUN STAGE

 初めてのSUN STAGE。大きい。人多い。
 ユニゾンもアルバム「JET CO.」しか知らなくて(2010年の作品らしい。8年も前!)、最近みんながカラオケで歌うような曲も知らないんだけど、セットリストで攻めてくる感じがして、みんなめちゃ上手いなあすごいなあ、楽しいなあ、と楽しめました。

 このあとは食事したりのんびりしたり。移動中にマキシマムザホルモンsumikaをチラ聞きして、ホルモン楽しそう、sumikaはよくわからないなんでこんな人気っぽいんだ、と思ったりしました。

18:50~ the pillows @EARTH TENT

 ここで夫と娘には家に帰ってもらいました。娘の睡眠優先。その次に私の趣味優先で。夫よありがとう。車に戻って荷物を整理したりビショビショの服を着替えたりして妹と二人で会場に戻ったらもうピロウズのステージが始まってしまっていました。
 途中からだったけど、ああもう最高だ。「FUNNY BUNNY」が始まって、「♪キミの夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで 走ってきた」、生きていくのがしんどかった高校生のころに救いを求めるように聴いていたさわおさんの声がFUNNY BUNNYが、目の前で演奏されている、聴いている、あの頃の私、生きていたから報われているよ、いま私は母になりその頃と変わらず音楽を聴いているよ、というような、もっと混沌としたどうしようもない涙が出てきた。

 それからツイッターのお友達と乾杯しておしゃべりして妹と食べ歩きながらdef garageへ移動。
 トイレに並んでいたら花火が上がった。

21:00~ POLYSICS @def garage

 アルバム1枚(KARATE HOUSE)しか知らないのだけど好きで、今回どのバンドを見たくてライジングに参戦したかと言うと半分くらいはPOLYSICSだったような気がする。
 食べ歩いたり花火を見たりしていたら着いたときにはもう始まっていてテントの隙間から覗き見るような場所しかなかった。でもそれでもとっても楽しかった。
 目の前に小さなお子さんを抱いたお母さんがいて、身体じゅうではしゃいでいた。ああPOLYSICS大好きなんだなってのがようくわかった。お子さんを抱きながら飛び跳ねていて、とっても楽しそうで、見ていて幸せな気持になった。子連れで行けるフェス、普段は親の顔しかしていない(かもしれない)親たちが子の前で好きなものを満喫できてその姿を子が見られるっていうその環境がすばらしいなって思った。

それから竹原ピストルを目指してRED STAR FIELDへ移動して、レジャーシートを敷いて虫除けして寝ながらThe Birthdayを聴くともなく聴いた。オールナイトのフェスならではの贅沢だ。

24:00~ 竹原ピストル @RED STAR FIELD

 昔ニコニコ動画の邦楽ロック作業用BGMで野狐禅の「自殺志願者が線路に飛び込むスピード」を知った。それから他の曲を聴いていたわけじゃないけどなんとなく好きだなあと思っていた。タイムテーブルに名前を見付けて聴こうと思った。
 このころにはすっかり疲れてしまってもう寝ながら聴こうかなと思っていたのだけど始まってみたらとても寝ていられる演奏ではなくて起き出してようく見ながら聴いた。
 一曲一曲に対する思い入れを話しながらギター一本で歌ってくれる竹原さんに釘付けだった。すごく真っ直ぐなMC、歌、ステージだった。また聴きたいと思った。

25:40~ GRAPEVINE @EARTH TENT

 昔すこし聴いていたバイン。体力の限界で、テントの外で座って寝ながら聴いた。

 天気予報ではこの時間には晴れているはずだったのにまだ雨が降りカッパが必要だった。寒くて眠くて辛かったので温かいチャイを飲んだ。すっかり冷えて疲れてしまってもう一歩だって歩きたくない状態だったけど、ラストに向けて移動。妹はスカパラを観にSUN STAGEへ。私はBase Ball Bearを観に一人でdef garageへ。

27:40~ Base Ball Bear @def garage

 とーっても楽しかった。テントの外に荷物を置いてシートを敷いてそこでのんびり聴こうとしていたのだけど、演奏が始まったらつい誘われて中へ入って身体を揺らしてしまった。
 SUN STAGE大トリの東京スカパラダイスオーケストラはきっととっても楽しいんだろうなあと思いつつ、ロキノンオバサンとしてはベボベに行かないわけにいかなかった。こちらもアルバム「十七歳」1枚しか聴いたことがなかったのだけど。
 空が白みかけた夜明け前の「yoakemae」、他の曲も良かったけどこれですっかり虜になってしまって、2日間の思い出の総仕上げになった。目の前の演奏のすばらしさ、2日間聴いてきた音楽、大雨に降られながら楽しんだこと、深夜の眠気と疲れが合わさって最高の瞬間だ った。その後もあのステージを思い出して、「yoakemae」が収録されているアルバム「新呼吸」を買った。

まとめ

 とにかく楽しかった!ライブハウスで酒飲んで飛び跳ねる以外の音楽の楽しみかたもあるんだな、子連れの母親としても楽しめるんだな、って思った。
 来年はゼロ歳児がいるからどうなるかわからないけど、できれば毎年参加したいなあ。今度はテント泊したいなあ。バーベキューしたいなあ。
 もっと書きたいことがたくさんあったような気もするけど、アドベントカレンダーに間に合わせるために今日はここまで。