猫が吠える

我輩は猫である。名前はみずき。

無名の会社でアドベントカレンダーやってみた感想

はじめに

 この記事はBBSakura Networksアドベントカレンダー最終日の記事です!25日公開間に合わなかった……。
adventar.org

 今年8月に設立された無名の会社でアドベントカレンダーやってみた感想を書きます。
 「無名の会社」とは私が所属しているBBSakura Networksという会社で、会社については7日目に社長が記事を書いてくれています

きっかけ

 アドベントカレンダーが公開されだしたころ、BBSakuraでもやってみたらおもしろいかもなーと思ったのですが、25人も社員いないし、みんな書いてくれるかどうかわからないし、サービス出してるわけでもない会社のアドベントカレンダーなんて読んでくれる人いないだろうし、と思っていた。思っていたら、弊社でアルバイトしてくれている id:taketarou2 さんがアドベントカレンダーやりましょうよって言い出した。アドベントカレンダー作ったら書いてくれる人いますかってSlackで聞いたらあんまり反応なかった。なかったけど勢いでtaketarou2さんに立ててもらった。言い出しっぺのtaketarou2さんが1日目取らなかったので私が1日目取った

感想

意外とみんな書いてくれた

 アドベントカレンダーを立ててみたら、アドベントカレンダー文化に親しんでいる何人かは登録してくれたけど、25日埋まるのは程遠い。Slackやエンジニアの定例会議でみんなに登録してください書いてくださいとお願いする日々。全体に呼び掛けても反応はあまり芳しくないので名指しでお願いして回った。そうやってなんとか1週目を埋めてもらってみんなちゃんと記事を公開してくれた。時は経ちカレンダーの空きもあとは最終日ともう一つとなったとき、私が最終日を取り、”無名の会社でアドベントカレンダーやってみた感想”を書くぞって言ったら「みんなに書いてもらうのに苦労した話とか書けますね」って反応をもらったのだけど、私はそこに苦労した感覚はなくて、むしろ予想以上にみんな書いてくれたことに驚いてた。
 1日目のエントリでも書いたとおりこの会社はソフトバンク子会社であるBBIXとさくらインターネットとのジョイントベンチャーで、社員も両社それぞれからの出向メンバーで成り立っている。さくらインターネットは社名のとおりインターネットの会社なので、もう何年もアドベントカレンダーをやっているし、ブログやSNSなどインターネットで情報発信することに慣れている人が多い。対してBBIX(ソフトバンク)はモバイルの会社で、技術にしろビジネスにしろ、オープンにするよりは自社の権利を守るという文化にいた。だから、さくらからの出向メンバーが参加してくれるのはある程度期待通りだったけど、BBIXからの出向メンバーが参加してくれるのって、期待以上のことで、嬉しかった。
 さくらからの出向メンバーのうち何人かはすでにインターネット上のアカウントを社内にもオープンにしていて、またインターネット上でも勤務先を明らかにしていて、そういう人たちが参加して自分のブログに記事を書いて会社としてやってるアドベントカレンダーにリンクしてくれるのは、ある程度予想通りだった。でもインターネットのアカウントを社内に明かしていない人やブログを持っていない人たちも参加するって表明してくれたし、インターネットと会社のアカウントをリンクしたくはないけどアドベントカレンダーには参加したいと言ってくれるメンバーもいて、その気持を無碍にはしたくないからどうしようか考えた。結果、社内ドキュメントツールとして使っているKibelaで外部公開したらいいんじゃないかと思って、提案してみた。私が想定してなかったやりかたとして、Google Siteでサイトを作って公開してくれる人もいた。みんなそれぞれのやりかたで工夫して参加してくれていいなと思った。

読まれない問題

 でも、7日目に社長の番がきて、社長がKibelaで外部公開という手段をとっていて、その翌日、取締役も同じくKibelaを使っているのを見て、正直に申し上げると、ガッカリした。
 BBSakuraって、クローズドだったモバイルの世界をインターネットの世界みたいにオープンにしていこうっていうビジョンを掲げている会社で、そのビジョンの先頭に立っている社長と取締役がインターネットのアカウントを持たず社内ツールを使って会社のアドベントカレンダーに参加している、しかもKibelaって外に公開するのが本来の目的のツールじゃないから外部公開しても検索には引っかからない、その記事をSNSで宣伝もしない!(念のため書いておくと、Kibelaというサービスが良いとか悪いとか言っているのではなく、今回の目的には合わなかったという話です。Kibelaはとても便利に愛用させていただいています。)
 会社のアドベントカレンダーって、主には会社の宣伝のためにやってると思っていて、まあきっかけはなんとなく盛り上がって始めただけとはいえ、みんなにこんな時間を割いて書いてもらう意義ってエンジニアが楽しくやってる会社だとインターネットにアピールすることだろうから、誰からも読まれないような記事をアドベントカレンダーで書く意味はないと思った。adventarのページからリンクは貼ってるけど、この時期いろんなアドベントカレンダーがあって、名の知れた会社がそれぞれやってるなか、サービスを出してるわけでもない、なにかで有名になったわけでもない、だれも名前を知らない会社のアドベントカレンダーがあったって、だれも見に来ない。

読まれない問題への対策

会社ブログを作った

 どうしようかなあと思って、とりあえず検索に引っかかるツールが欲しいから会社ブログを作ることにした:BBSakura Networks Blog
 まずは無料で運用したかったことと、投稿する人がインターネットのアカウントと紐付けず書ける場を作りたかったことから、プライベートリポジトリでGitHub Pagesを使うことにした。詳細については11日目の記事をご覧ください:BBSakura Networks Blogで使っている技術 - BBSakura Networks Blog。これを作って、Kibelaで書いていた人たちにこちらに移させてくれないかとお願いし、移させてもらった。

社長と取締役にSNSの利用・宣伝を頼んだ

 会社ブログに記事を移してから、上記の「読まれない問題」を社長・取締役に対して訴えた。そして「インターネットの会社」の「強い大人」である社長や取締役に、インターネットで活動し、宣伝してもらいたいのだとお願いしてみた。人それぞれインターネットやSNSとの付き合いかたのポリシーがあるからこれはけっこう勇気のいるお願いだったけど、社長も取締役も応じてくれた。



社長はその後もBBSakuraアドベントカレンダーの記事をツイートしたり、弊社関連のツイートをリツイートしたりしてくれていて、お願いしてみてよかったなと思っている。

目的が共有されてない問題

 しかし、社長や取締役が乗ってくれたからよかったけど、私がガッカリなんてするのもおかしな話で、そもそもこのアドベントカレンダーはやりたい人が勝手に盛り上がって勝手に始めたものだったのだ。採用目的でもないし宣伝目的というコンセンサスを取ったわけでもなく、ただやろうやろうって始めて、始めたから書いてくれとお願いして回ったものだ。それを検索に引っかからないだの宣伝しないだのと文句言うほうがおかしい。
 みんなをこんなに巻き込んでしっかり宣伝したいなら最初から目的を定めて伝えておく必要があった。

業務かどうかわからない問題

 もうひとつ、アドベントカレンダー用にブログを書くことが業務なのかどうかわからないという問題もあった。最初はやりたい人だけで趣味的に始めたから、私は業務外の時間で書いてた。他のメンバーがどうしてたかわからないけど、業務時間内にせよ時間外にせよ時間を見つけてその日に間に合うように公開してくれていた。始めのほうに入れてくれた人たちがブログなどのインターネット向けアウトプットに慣れている人が多かったからかもしれないと思っている。後ろのほうになってくると、後述の社内事情もあって、公開されない日が増えてきた。「アドベントカレンダー用のブログ書くのも仕事のうちだと思うけど、普段の業務でそれどころじゃない」と言う人もいた。このあたりも社内での立て付けをちゃんとしてなかったから人によってスタンスが違ってしまったし、みんなにお願いするならその他の業務との兼ね合いを考えたり調整したりする必要があったなあと反省した。

障害発生

 話は少し戻り、2週目も完走できていいかんじに乗ってきたと思っていた頃、さくら側でもBBIX側でも障害が発生してしまった。それによりブログ書いている場合ではなかったり、障害に関係ない人が書いてくれても宣伝できなかったりという状況になってしまった。その影響もあり、それ以外もあり、25日時点で完走はできなかった。

それでも

 始めに書いたとおり、こんなにみんな参加してくれると思っていなかったし、25日分の予約が埋まるなんて嬉しい驚きだった。ほとんどの人が登録した日に公開してくれていて、いきなり言い出したにしては上々の結果なんじゃないかとみんなに感謝しています。参加者をエンジニアに限定しなかったし内容もなんでもありとしていたから、少ない人数の会社だけど、いろんな人がいろんな記事を書いてくれました。使っている技術の話、自作OSSの話、インターネット昔話、BBSakuraという会社の話、財務の話、趣味の話……。BBSakuraに興味を持ってくれた人が見て、いろんな人がいて楽しそうな会社だなと思ってもらえるアドベントカレンダーになっていたら嬉しい。

まとめ

 そういうわけで、完走祝いの記事は書けなかったけど、そして最終日遅刻してしまったけど、これが無名の会社でアドベントカレンダーやってみた、正直な感想です。
 せっかく作った会社ブログはこれからも更新していきたいし、会社としてインターネットにアピールしていきたい。ブログの立て付けを考えて仕事としてブログでアウトプットしてもらう仕組みを作るという宿題ができました(とはいえいちばんアピールになるのはサービスリリースだろうから、開発を頑張っていきたい)。来年のこの時期は、もっと積極的に、もっとスムーズに、みんなでアウトプットできる会社になっているといいなあと願って、BBSakuraアドベントカレンダーを締めくくります。参加してくれたみなさん、読んでくれたみなさん、反応をくれたみなさん、ありがとう!締めくくるけど、公開されていない記事はまだ待っていますよ!